概要
依頼者は、3人の子を持つ男性。性格の不一致等を原因として、妻(相手方)との離婚を希望している。もっとも、相手方に離婚する意思があるかどうかも不明。
依頼者は、相手方との離婚交渉を弁護士に依頼した。依頼者は、2人の子を持つ50代前半の男性。妻(相手方)によるDV、依頼者の職場に対する相手方の迷惑行為等を原因として、依頼者が自宅を退去したことにより別居を開始。別居期間中において、相手方が受領していた婚姻費用は、毎月25万円超であった。別居後9年も経過し、子らも成人したため、依頼者が離婚を決意。離婚手続を私に対し依頼した。
相手方が離婚に応じない意思が明白であったため、私は、交渉ではなく、当初から離婚調停手続を申し立てた。予想どおり、相手方は、離婚自体に抵抗を示し、どのような条件を提示しても離婚には一切応じない姿勢を調停では示した。
そのため、依頼者は離婚訴訟で解決することとした。依頼者は、3人の子を持つ男性。性格の不一致等を原因として、妻(相手方)との離婚を希望している。もっとも、相手方に離婚する意思があるかどうかも不明。
依頼者は、相手方との離婚交渉を弁護士に依頼した。
争点
離婚条件(婚姻の破綻)の有無、相手方の提示する条件の妥当性
結論
別居の年数が長期間であったことからして、依頼者と相手方との婚姻関係が破綻していた旨、裁判官に認定されることが明白でした。しかし、相手方及び相手方の代理人弁護士は、裁判官からの和解勧奨にもかかわらず、申立人に離婚原因があるなどと事実無根の主張を展開したほか、仮に離婚に応じる場合の条件としても、本来、離婚後になれば必要なくなるはずの高額な婚姻費用の支払いをさらに15年間継続すること求めるなど、法外な条件を突きつけるなどして抵抗しました。最終的には、裁判官の説得により、合理的な条件で和解をすることができました。
一言
相手方の代理人が、訴訟の見通しをきちんと把握していなかったようで、相手方本人と一緒になって本気で法外な要求をしていたというケースです。相手方の主張が不合理であって認められないことは、弁護士であれば当然理解してしかるべきでしたが、そうではなかったようです。そのため、結局は、依頼者との紛争もより長期化してしまった結果、相手方からみれば、不本意な条件で離婚をさせられてしまうことになりました。
通常は、相手方に弁護士が代理人として就いている事件では、弁護士同士で冷静な話し合いをすることができ、当事者双方にとってもよい解決を得られることが多いのですが、弁護士の力量や考え方によっては、かえって紛争解決が阻害されてしまい、当事者の方に迷惑をかけてしまうということもあります。そのため、弁護士選びも重要です。