離婚時に定めた面会交流の条件を適切な内容に変更したケース

概要

依頼者は、30代女性。未就園児の子を持つ。依頼者は、自身に離婚原因があったことから、相手方が求める離婚協議書の条件について、異論を唱えることができず、サインをした上で協議離婚をした。しかし、その離婚条件には、相手方と子との面会交流について、依頼者の都合にかかわらず、いつでも何回でも相手方の希望どおりに実施する旨の規定が定められており、相手方に振り回される状況が続いた。依頼者は、これを現実的な内容に是正するため、私に依頼をした。


争点

合意が成立した面会交流条件の変更の可否及びその手段


結論

私は、当初、交渉において、相手方に対し条件変更を申し入れたものの、相手方は、既に合意が存在するから変更しないとの一点張りであったため、面会交流調停手続で対応することとした。何度かの調停期日を経た上で、最終的に相手方の求める内容と依頼者が対応可能である現実的な条件へ変更することで合意し、調停を成立させた。


一言

相手方が非現実的な面会交流条件を突きつけ、実際にそのように行動をしていた理由は、依頼者と離婚をした際の離婚理由にあったように感じました。そのため、相手方は離婚後といえども、依頼者及びその親族に対し、非常に厳しい態度で接していました。そのため、私は、相手方が面会交流に関して求めてきた条件は、相手方が真にその条件を望んでいたのではなく、依頼者を困らせたいという気持ちから要求していたのではと考えました。私は、今後、円滑な面会交流の実施をするためにも、この点に関する相手方の悪感情をなくしておく必要があると考えていました。私が依頼者の代理人として就いている期間においても、面会交流を実施していましたが、その間は、相手方の面会交流について特に大きな問題は生じていませんでした。もっとも、一見問題ないように見えても、調停が成立した後は、私は依頼者の代理人から離れなければならず、その際には、依頼者や及びその親族が相手方と直接やり取りをして、面会交流を実施することになります。その時点において、改めてトラブルが生じないようにするためにも、面会交流の条件に関して、双方十分に納得する形でルールを定めることが重要であると考えました。特に、面会交流の日時については、当事者間で追って協議の上定めるといった条件ではなく、予めに定められた日時(第二日曜日午後●時から●時間、●駅改札口にて、どうしても都合が悪いときは、第三日曜日の同時刻同場所にて)と調停条項に定めておくというように、お互いにとって疑義がないようにしておく必要があります。実際に日時を変更するための協議の際に、もめてしまうという例は沢山見てきています。また、面会交流は、どんな内容の合意を定めたとしても、これをきちんと実現するためには両当事者の信頼関係がなければ実施することができません。そのため、私が代理人を外れた後において、当事者だけで面会交流の実施をすることになることも十分理解をしておく必要があります。そこで、私は、依頼者と相手方がそれぞれ求めるものを明確にして、将来にわたり、相互に信頼関係を築いていくことができる内容で、調停成立に尽力いたしました。今では、双方にとって、問題がなく面会交流を実施することができるようになった旨聞き、ホッとしております。

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